イチロー引退会見その②
こんにちは!
イチローの引退会見について、前回の続きになります。
前回の記事はこちら↓
ymsst.hatenablog.com
質問
「最低50歳まで現役ということを言っていたが・・・」
イチロー
結果として有言不実行になってしまったが、その当時は本気でそう思っていた。
また、この表現をしていなかったら、ここまでこれなかった。
(目標を)言葉にすることは、難しいかもしれないが、表現することは目標に近づく一つの方法だと思っている。
質問
「イチロー選手の生き様で伝えたいことは?」
イチロー
生き様というのはよくわからない。生き方と考えれば・・・
人より頑張ることはとてもできない。あくまで秤は自分にある。
少しずつの積み重ねでしか自分を超えていけない。一気に高みに行こうとしてもギャップがありすぎて続けられない。
自分がやると決めたことをを信じてやり続けるしかない。でも、それが正解とは限らないんですよね。
例えそれが後退や間違ったこと、遠回りだったとしても、遠回りでしか辿り着けないこともある。
最後の質問
「以前、常に孤独と戦っていると話していたが、現在の心境はどうか?」
イチロー
今は孤独という気持ちは全くない。(途中の質疑応答の中で、一人のプロ選手として、チームが勝ってよし!だけではなく自分が結果を出すことも必要…
しかし、だんだん変わっていき、人に喜んでもらうことが一番の喜びになった。ファンがいなければモチベーションをつくれなくなった。)
と答え、続けて
答えとしては少し違うが
日本を離れて
「外国人」になったこと。
この体験で人の心を思いばかったり、人の痛みを想像するようになった。本を読んだり、情報を集めることはいくらでもできるけど、実際に体験しないと味わえないものがある。
辛いことやしんどいことから逃げたくなるのは当然だけど、(特に、若くてエネルギーのあるうちに)そこに立ち向かって行くことは、人としてすごく重要なことだと思う。
いや~最後締まったね~
お腹すいたから終わりにしよう!
みたいな感じで会見が終わりました。
本当にそうだなと思います。
お腹が空いたらなにもできない
じゃなくて
体験することでしか得られないものばかり
だと改めて思いました。最大の失敗は行動しないこと
なんて言葉があるように、あらゆる経験は自分の財産になります。
イチロー選手の場合、野球というジャンルで最も色々な挑戦や経験を積んできたのかもしれません。
イチローが野球を通して培ってきたものは野球の現役選手以外でも通ずるものが沢山あり、今後の活躍は疑う余地がありません。
同じように、私達一人一人が培ってきたものも、人生おいての糧であって、この先どんな仕事をしようが、どんな人と付き合おうが、名前や環境を変えようが、経験はゼロにはなりません。
そして、これからはじめるどんな一歩でも、確実に経験値として自分の糧になります。
先日、70代のめっちゃ元気なおばあさんとお話ししたのですが、
「なんでもやってみるものよ。やってみれば案外なんとでもなるもの。それに、この歳になっても知らないことに触れることは楽しいんだもの。若い人はどんどん新しいことをやらなくちゃ!」
という言葉が蘇ってきました。
一つ一つの積み重ね
世界一の野球選手が唯一誇れるものは、数々の記録や、数字ではなく、試合に出られないと分かっていながらもトレーニングをやり続けたなんの記録にも残らない日々でした。
そのギフトが今日という日。
野球界の制度についての是非を言うのでもなく、米国の野球と日本の野球に優劣をつけるのでもなく、自分を成功者と言うでもなく、
空腹の限界までとことん質問に答え続けたイチロー。
イチロー選手は私達に伝えようと言葉を選んでいましたし、私達はそれ以上にイチロー選手の言葉から何かを得ようとしていた会見でした。
まだまだ質疑応答で考えさせられるところは沢山あります。
消されないうちに、一回はフルで聞いてみては如何でしょう?
話し口調や表情から伝わるイチローの人柄もありますし、自分なりに得るものがあると思います。
今日も心を込めて☆
イチロー引退会見その①
こんにちは!
ついに、イチロー選手が引退。野球ファンだけでなく、世界中の人々に衝撃が走りました。
「後悔なんてあろうはずがありません。」
早くも今年の流行語大賞になりそうな名言から始まり、約90分に及ぶ質問にとことん答えた記者会見。
言葉を選びながら話すイチローの一言一句を私達はかみしめました。
そして、一夜にしてこの会見の映像や記事が数多く発信されました。
同じ会見でも、取り上げ方、編集の仕方、解釈は様々です。私も私なりにお伝えしようと思います。
「このような形の引退に後悔はないか?」
という問いに対して、
今日のようなことが起きて…後悔なんてあるはずがない
続けて
もちろん、もっとやれたことはある。でも、結果を残すために自分なりにやってきた。それは、人より努力したとは決して言えないが、自分なりに後悔しないように積み重ね続けてきた。後悔しないためには積み重ね続けてることしかないのではないか。
といった感じの内容を答えていました。
私がふと思い出したのは、中学校時代の先生の言葉です。
「中学校生活三年間は、卒業式のためにあるんだ。」
言われたときはよく分からなかったのですが、卒業式のときに込み上げる感情は、まさに今までの自分の積み重ねによって湧いてくるものだと感じたことを思い出します。
イチロー選手も間違いなくこの日が一番の印象に残っている出来事になるだろうと話しています。
人生は現実という一つの大きな夢の世界で、死を迎えたときに夢から覚める。
という話を聞いたことがあります。
会見の後半でも話がありましたが、なにが「成功」かどうかなんて分かりません。記録や、結果は目安ではあっても、あくまで通過点の一つに過ぎず、大して重要ではありません。
目の前のこと一つ一つをこなす道中を積み重ねる。夢を叶えるための日々こそがまさに夢の真っ最中なんですね!
また、「人より努力したとは言えない」っていう所も面白いと思いました。
普通は、「自己満足してないの!周りはもっとやってるんだから」って先生や親に言われますよね?
私も、人の倍やって追いつこうって考えが結構あります。
確かに世の中競争はつきものですが、結局は、今の自分とどう向き合うかなんですね。ブレない自分がいるかどうかで随分変わってきます。
多分イチローは、周りは関係なく、自分の納得いくまでやれば後悔しない。という生き方をしているからのこの発言なんじゃないでしょうか。
以前、落合博満さんも同じようなことを言っていました。
「俺は誰よりもバットを振った。多分王さんは俺よりバットを振っていたと思う。でも、現役の頃は俺が1番バットを振っていた。」
おそらく落合選手よりもバットを振っていた人は沢山いたことでしょう。でも、本人が俺が1番と言えばそれでいい。
もしかすると、他人を相手にするより辛い道なのかもしれません。
初めの質問について書いただけで結構な量になってしまったので、続きは次回にします(笑)
世界で一番ヒットを打った人が、老いと戦い、ヒット一本を打つために努力を積み重ね、ボテボテのショートゴロを打って全力で一塁まで走り抜ける。
そして、どんなときでもイチローであり続けている。
私達は、そんなイチロー選手をみて何を思うのでしょうか。
いち野球ファンとして、私の中にも勝手にイチローの教えが存在しています。
今日も心を込めて☆
素人でも面白い!?玄人でも意外と知らない野球の話③ 守備練習編
こんにちは。
今日は守備練習についての話です。
試合で通用する守備練習は実践が一番
守備と言っても様々なことを引っくるめて守備と呼びます。
例えば、
守備位置然り
構え方然り
捕り方然り
・・・
と色々あるので、ここではアウトを一つとるまでの工程を考えていきます。
例)ランナーなしでショートゴロ
①ベンチ(監督)から指示が出る(出ない)
②バッテリーがサインを交換する。
③サイン(球種、コース、牽制など)に応じて野手が守備位置を変える。
④ピッチャーが投げる。
⑤バッターが打つ。
⑥ゴロが転がる。
⑦野手の誰が捕るか全員で判断する。
⑧ショートはボールが捕れる位置まで移動する。
(他の野手はカバーリングする)
⑨ボールを捕球する。
⑩ボールを一塁へ投げる。
(他の野手はカバーリングする)
⑪一塁手がボールを捕る。
⑫一塁手がベースを踏む。
このように、一つのアウトを取るだけでもこれだけの工程があります。
さらに、ランナーがいたり、カウントやイニング、打席のバッターのことなど、色々な要素がプラスされて一球一球考えながらプレーするのです。
野球は考える時間のあるスポーツです。
このことを考えれば、いかに実践が大事かが分かると思います。
技術指導の間違いあれこれ
とはいっても、実際の試合や実践練習は、場所も人数も時間も多く必要です。
ですから、貴重な実践に備えるために個人での技術練習は欠かせません。
ここからはよく言われる指導の間違いを挙げていきます。
1.ゴロを捕るときは腰を落として姿勢をなるべく低くしろ
メリット
・トンネル(股の間をボールが通過すること)の穴を小さくできる。
・目線がボールに近づいてよく見える。
デメリット
・姿勢がずっと低いままだと走り難い。
・捕球の直前に姿勢を下げると目線がブレる。
ボールを捕るためには
ボールが捕りやすい位置に早く辿りついてグローブにボールを納める動作をします。
もっと簡単に言えば
いかにボールに追いついてグローブを出すか
です。
それを踏まえて、私が提案するのは
一番早く動ける自然な体制で早くボールに向かい、グローブを出したら自然と姿勢が低くなればよい。
と教えます。
姿勢云々より、捕球ができることが大前提ですので、グローブをなるべく早く出して余裕を持って捕球しましょう。
以下の動画では、ゴールデングラブ賞を幾度も取った元中日の二遊間、荒木選手、井端選手もグローブを早めに出して準備する点について触れています。(姿勢を低くとは特に言っていません。)
"【プロの技術・理論・練習】守備聖書 井端・荒木" を YouTube で見る
https://youtu.be/zUZahCM4sb4
・ボールの正面に入れ
これについては近年、間違いだという認識がだいぶ広まっています。
デメリット
・横から見た方がバウンドが見やすい。
・正面に入ることが優先されてしまい、グローブを出すのが遅れる。
・捕球をあきらめて始めから体に当てにいきがちになる。
・目線がブレないように走れ
これも「いかにボールに追いついてグローブを出すか」
という点から外れています。
特に外野手は走りながら目線がブレると見にくくなりますが、逆に言えば、早くボールまで走ってその後ゆっくり走ればいいと思います。
また、フィギュアスケートの選手はあれだけ高速でスピンしても目が回らないそうです。ですから、走りながら捕ることも訓練です。
まとめ
今は誰でも調べればプロの選手など、本物の理論を知ることができて素晴らしいですね。
ここで挙げた動画でさえ、人それぞれ考え方に違いがあります。
なので、自分たちでアドバイスを上手に受け取って、試行錯誤を繰り返しながら、ゴールのないゴールを目指して日々練習するんですね。
正し、大元を忘れてはいけません。
ボールを捕るためにはボールが来る所(捕りやすい所)に早く行き、グローブを出すこと
そのための試行錯誤をすれば、どんな練習でも〇なのではないでしょうか。